上棟と鉄骨階段設置

現在工事中の現場で基礎や1階RC部分のコンクリート打ち及び養生が終わり、2,3階木造部分の上棟が行われた。

道路際から建物を見る

道路際には電線が走り、事前に電力会社とやり取りしても移設が不可とのことで、なかなか大変な上棟となった。

半円形状の鉄骨階段

当初、階段は通常の折り返しの階段を予定していたが、打合せの中で建築主要望として、アクセントとなる階段にしたい、とのこと。結局、半円形状の階段になった。なったは良いが、固定の仕方、搬入方法、躯体との取り合い、等、検討すべき内容が想像以上に多かった。だが、検討内容が多く苦労した分、私自身も設計したことがなく、世の中の事例も少ない、珍しい階段となった。シンプルな空間の中でひと際目立つ存在になると思う。

屋根の登り梁

3階リビングの天井は勾配天井のため、登り梁となっている。天井仕上げで隠れてはしまうが、見るからに頑丈そうな登り梁はこの建物の構造強度にきっと寄与してくれるように思えた。

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小規模事業者持続化補助金

以前からいろいろな補助金があることは知っていたが、今年の春から建築基準法が改正され、今まで使っていた構造系のソフトを買い直す必要が出てきたこと。また、以前に撮影している画像データから動画データを作成したい、等、仕事に関わる内容でいろいろと出費する内容が出てきたので、補助金に関して初めてきちんと調べ始めた。

いろいろな補助金があり、素人目に見てもなんだかとても大盤振る舞いで、日頃ニュースで国債をさらに大幅に発行しないと国の財政が破綻する云々とは逆の状況なことに不信感を抱いた。だが、使えるものは使おうとさらに調べていくと、「小規模事業者持続化補助金」が一番適していると分かり、募集要項の正式発表までまだ数か月ある状態だったが、先に必要な書類を集め始めていた。

そして、募集要項が正式に発表されるといろいろと質問したいことがあったので、国の事務局や商工会議所に電話をしていった。だが、結論から言うと、使いようがない補助金であることが分かった。補助対象の経費は全てで8つの項目になっているが、その中でもウェブ関連費のみでは申請できない。私が考えていた、構造系ソフトや動画データの作成はその8つの項目で言うと、全てウェブ関連費の扱いとなってしまう。事務局の人と話をしていると、ウェブ関連費は目に見えないので、販促のためのチラシを作ってもらったりして、目に見える形の物の方が補助金が下りやすいとのこと。ただ、AIの進化がどうこうという、このご時世で紙媒体等を勧め、目に見えないウェブ関連費での申請ができないのでは、終わってるなと思わされた。国がいまだこんな状態では、日本は昭和から逃れられないとも思った。

実際、設計事務所の業務形態も以前は紙に図面を書く、紙の申請書に記入して提出する、設計図書の全てに印鑑を押印する等、アナログの最たる業態だった。しかし、申請もPDFでネット申請が可能な確認検査機関もあり、施工者に見積依頼するのもデータをメールでやり取りすることが多くなった。それでも組織や個人にも寄るが、紙での申請書提出や印鑑の押印、FAXでのやり取りを求められることもあり、世の中の動きに対して動いている人達と動かずとどまっている人達の乖離の大きさに驚かされることも多い。

私もCADではなくBIMを使ったり、打合せにVRゴーグルを取り入れたりしている。当たり前だが、今までなかったものを使おうとすると、費用も手間もかかる。だが、その分、建築主により分かり易く計画内容を説明できたり、図面では確認できなかったことも3Dモデルで確認できるようになったりして、メリットは大きい。

どんな仕事も顧客に価値を提供することが仕事の本分だと思う。世の中の流れに抗い、同じ場所に立ち止まったままの仕事は価値提供としては不十分だと思う。費用も手間もかかるとしても、より良い価値を提供できる可能性があるなら新しいことやものを取り入れていくべきである。

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リノベーションとは

リノベーション工事を計画している案件で現在、相見積を行っている。
先日も候補の施工者と現場打合せを行った。

そもそも、リノベーションと同じような意味で使われる言葉にリフォームという言葉もある。リフォームは「新築だった頃の状態に戻すための工事=現状復旧」、リノベーションは「新築時よりも利便性を向上させてプラスの価値を加えるための工事=現状復旧+付加価値」という感じである。

今回はリノベーション計画である。また、設計者目線からすると、新築の場合は建物を計画する土地は更地のことが多いので、白いキャンバスに絵を描いていくイメージである。逆に、リノベーションの場合、敷地が既存の建物とも言えるので、新築に比べると難易度が上がる。

既存の建物の図面があればまだましだが、その図面がないことも多い。そうなると、一から調べる必要がある。また、今年の春に建築基準法が改正されて、屋根や外壁を触る場合は確認申請が必要となった。昔の建物は検査済証を取得していないことも多く、その場合は、すでに建物は建っているが、その既存建物の構造や設備も合わせて一から申請する必要が出てきて、ほぼ対応不可能な申請内容となってくる。

そして、施主からすると、リノベーションはすでに建物があるのだから安く工事ができると考えていることが多いが、建物を一部解体することで解体撤去費用がかかり、すでにある建物自体が施工の邪魔になってくる部分もあり、施工手間もかかってくる。結局、新築で建てるよりは安くはなるが、あくまで新築で建てるよりはのレベルで、それなりの金額はかかってしまう。

リノベーション予定の建物。延床面積600㎡程度あり、かなり大きい。

現在、概算見積を依頼しているものの、見積が上がってくる前から予算と希望計画内容の見積金額が合わない可能性が予見され、すでに頭を悩ましている。最近は物価高、建設費高騰の影響で見積依頼をする度に気が滅入る。以前から施主の予算と希望する計画内容はほぼ100%合わないのは当たり前だったが、それでもいろいろと調整していけばなんとか軟着陸はできる感覚はあったが、ここ最近はそもそも計画自体が白紙になるのでは、というぐらいの予算と計画の乖離が大きくなって、途方に暮れることが多い。

設計者の工夫でコストを抑えつつ、計画内容もより良いものに、は心掛けているが、それでも限界はある。だが、「諦めたらそこで試合終了ですよ」とも思うので、諦めずに頭をフル回転させて食らいついていく覚悟で臨んでいる。

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徒然なるままに…

約9年間、ブログを続けてきた。

当初は右も左も分からない状況だったので、とりあえず無料ブログで始めたが、運営会社の状況によって突然打ち切りになるリスクもあり、また、WordPressならホームページ作成等にも対応できる、ということで、ブログもWordPressで再開することにした。

WordPressのことを調べ始めると、それに付随してPHP、HTML、CSS、JavaScript、等、パソコンに詳しくない私からすると、謎のアルファベットの固まりがたくさん出てきて訳が分からなくなっているが、参考書を購入したりして解きほぐしている最中だ。

元々ブログを書き始めた理由は、建築に関しては設計事務所を将来的に始めようとしている人や設計事務所って何をしているんだろうと疑問に思う人に向けて書いている。
また、法律に関しては法学部を卒業したけど司法試験を改めて目指したいと考えている人や予備試験を受験しようとしている人の手掛りになるようと思い書いている。
そして、その建築や法律のプロフェッショナルとなるべく日々考え続けている人間の日常的な在り様で合ったり考えが誰かしらに届けばと思いながら書き綴ってきた。

ただ、それを約9年間書き綴ってきて思うが、いろいろな人に届くように書いてきたつもりが、二十歳の頃の自分に向けて書いている気もしている。
今も何物でもない自分ではあるが、二十歳の頃の自分は今よりも遥かに知識も経験も足りず、今振り返っても何も分からない状態だった。
こうなりたいという自分像がなんとなくあるもののどこで何をどのようにすればよいか見当も付かなかった。
その時にこんなブログがあれば多少なりとも手掛かりにはなったのではないかと思う。

「徒然なるままに」は兼好法師の徒然草の冒頭部分だが、なんとなく題名に付けたものの、意味としては「やることがなく、物思いにふける」ということだが、自分に照らし合わせると、やることが多すぎて、物思いにふける時間なんてない、という私には合わない題名だなと後から気付いたが、それでも「やることがなく、物思いにふける」ぐらいにゆったりした心の持ち様で今後も書き綴っていきたいと思う。

徒然なるままに…。

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