司法試験予備試験とは司法試験の受験資格を得るための試験である。一般的に「予備試験」と呼ばれている。現在、司法試験を受験するためには法科大学院を卒業するか、予備試験に合格するか、どちらかの要件が必要である。法科大学院の場合、法科大学院の入学試験に合格し、その後、2-3年大学院に通う必要があり、夜間コースを設けている大学院は少なく、日中に授業を受けることになるので、社会人から仕事を辞めて専業で受験生になる必要がありハードルが高い。逆に予備試験は受験資格はなく、誰でも受験できる。そのため、ほとんどの社会人は予備試験を目指すことになる。
予備試験は、マーク式解答の「短答式試験」、記述解答の「論文式試験」、面接官を目の前に口頭で解答する「口述試験」、それらを一つずつ合格することで最終の予備試験合格となる。
ただ、例えば、その年に短答式試験に合格したとしても論文式試験が不合格となれば、翌年以降は最初の短答式試験からの受験となる。また、それぞれの合格率は短答式試験が約20%、論文式試験が約20%、口述試験が約95%で最終合格率は約3%という狭き門である。
予備試験の受験科目と試験時間は以下の通りである。
■短答式試験(7月の第3週の日曜日の1日間)
:憲法・行政法(公法系科目:1時間)、民法・商法・民事訴訟法(民事系科目:1時間30分)、刑法・刑事訴訟法(刑事系科目:1時間)、一般教養(1時間30分)
■論文式試験(9月の第1週の土曜日、日曜日の2日間)
:憲法・行政法(公法系科目:2時間20分)、民法・商法・民事訴訟法(民事系科目:3時間30分)、刑法・刑事訴訟法(刑事系科目:2時間20分)、民事実務基礎・刑事実務基礎(実務基礎科目:3時間)、選択科目(労働法・経済法・知的財産法・倒産法・国際法(私法)・国際法(公法)・環境法・租税法のどれか1科目:1時間10分)
■口述試験(1月の第4週の土曜日、日曜日の2日間)
:民事実務基礎・刑事実務基礎・法曹倫理(各20分程度)
短答式試験の配点は、憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法:各30点、一般教養:60点、の合計270点満点で、合格ラインとしては6割の160点前後である。どの科目も1問あたり、2分程度で解いていかないと時間切れとなり、かなり時間に余裕はない。
論文式試験の配点は、各科目50点の合計500点満点で、合格ラインとしては5割の250点前後である。他の試験ではあまり見られない、結構な量の記述での回答が必要なため、正確な知識の習得が必要となる。
口述試験は合格率からしても合格させることを前提とした試験のため、対策等は必要なものの、短答式試験、論文式試験の勉強をしっかりと行えば、そこまで高いハードルの試験ではない。
予備試験は2011年から始まっている。私自身も今までに10回近くは受験してきたが、予備試験の第一関門の短答式試験で4-5割の点数しか取ったことがなく、短答式試験にすら受かったことがない。去年、今年はそもそも受ける意味がないぐらいに勉強が進んでいないので、受験すら控えている。だが、まだ1か月も経っていないが、生活リズムを変え、予備試験の勉強を本格的に生活に組み込んで、この10年と比べると勉強が進み始めた感覚があるので、来年からは受験を再開する予定である。
大学生で司法試験に合格する人もいれば、一念発起して60歳を過ぎて司法試験に合格して第二の人生を過ごす人もいる。私もいつの時点で合格できるかは分からないが、弁護士資格を取得しようと思う気持ちに変わりはない。また、いろいろとやり方を模索してようやく受験生と同じ土俵に乗れた感じもある。あとはすべきことをしていくだけだ。