・論点①:年齢要件(生存権と立法裁量)
・社会権
:生存権(25)、教育を受ける権利(26)、勤労の権利(27)、労働基本権(28)
・生存権
:「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」(25)
・朝日訴訟(最大判S42.5.24 Ⅱ-131)
:①25条1項はすべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営み得るように、国政の運営すべきことを国の責務として宣言したにとどまり、直接個々の国民に具体的権利を賦与したものではない(プログラム規定)
②何が「健康で文化的な最低限度の生活」であるかの判断は厚生大臣の裁量に
・堀木訴訟(最大判S57.7.7 Ⅱ-132)
:「憲法25条の規定の趣旨にこたえて具体的にどのような立法措置を講ずるかの選択決定は立法府の広い裁量にゆだねられており、それが著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱・濫用と見ざるをえないような場合を除き裁判所が審査判断するのに適しない事柄であるといわなければならない」
(参考判例)
・学生無年金障害者訴訟(最判H19.9.28 Ⅱ-134)
・生活保護基準改定による老齢加算廃止(最判H24.2.28 Ⅱ-135)
・論点②:性別要件(平等権と事柄の性質)
・法の下の平等
:「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」(14Ⅰ)
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事柄の性質に応じた合理的な根拠のない法的な別異取扱いの禁止
・法適用の平等ではなく、法内容の平等
・絶対的な平等ではなく、相対的な平等
:恣意的な差別は許されないが、法上取扱いに差異が設けられる事項(例えば税、刑罰)と事実的・実質的な差異(例えば貧富の差、犯人の性格)との関係が社会通念からみて合理的である限り、その取扱い上の違いは平等違反ではない
(参考判例)
・尊属殺重罰規定判決(最大判S48.4.4 Ⅰ-25)
・国籍法違憲判決(最大判H20.6.4 Ⅰ-26)
・堀木訴訟(最大判S57.7.7 Ⅱ-132)
参考文献
:憲法〔第八版〕・芦部信喜(岩波書店)
憲法判例百選Ⅰ〔第7版〕(有斐閣)
司法試験の問題と解説2023・法学セミナー編集部(日本評論社)