最善を尽くす

昨日、高知へ設備設計者と打合せを行うため、朝から出発した。

高知駅のプラットフォーム
プラットフォームには珍しい木造

高知駅には度々訪れるが、いつもはここからレンタカーで移動しているので、ここから電車に乗るのは初めてだった。設計は内藤廣氏。スギ集成材と鉄骨トラスによる混構造の大屋根がダイナミックだった。

現在計画中の旅館増築計画は、温泉が絡み、設備設計者の重要性が高いので、あえて地元高知の設備設計者へ依頼している。ただ、高知と神戸は距離もあるので、そう頻繁には会って打合せも難しいが、計画内容もかなり煮詰まってきたので、設備設計者との打合せのためだけに高知へ降り立った。打合せ場所は高知市内ではあるが、市の中心部から少し離れており、また駅からも離れており、公共交通機関の接続もうまくいきそうにないので、いろいろ検討した結果、打合せ場所の最寄り駅から散歩がてら歩いて向かうことにした。

約30分近く歩いて、予定の打合せ場所に時間通りに到着し、早速、打合せを始めた。今までの計画内容のおさらいや新たに出てきた情報を共有しつつ、いろいろと具体的に内容を煮詰めることができた。

一段落着いた時に設備設計者から「打合せのためだけにこんな遠くまでご苦労様です。」と言われ、とっさに「やっぱり会って打合せしないと内容の共有は難しいので。」と答えた。実際、最近は実務上、Zoomやメール等、会わずに連絡のやり取りがほとんどである。だが、経験上、面と向かって相手の表情を見ながら打合せすることで、言葉だけでは分からないそれ以外の情報も得られるので、できるだけ実際に会って話す機会を設けるように心がけている。

そして、それ以上に私なりの筋を通したいことがある。一つの建物を完成させるためには、設計者である私だけが能力の100%を発揮して必死に頑張っても限界があることは分かっている。建築主、施工者、その下請けの職人さん、構造設計者、設備設計者、…と、その建物に関わる1人1人が能力の100%とは言わないものの、その人にしかできないことを100%近い能力を発揮してもらわないとこちらの考える100%超の建物の完成はできないからである。それが可能になるなら時間や労力を割いてでも、その人と話して情報を共有し、その人にしかできないことをきっちり遂行して欲しいからである。言い換えるなら、建築主だけがお客様ではなく、それ以外の人全員がお客様だと考えている。

今回の設備設計者との打合せは実り多いものとなったと考えている。情報やこちらの思いも伝えたので、きっと設備設計者の能力を発揮した、より良い設備計画になるはずである。そう、ただ、これも「はず」で絶対ではない。私自身が完璧でないように私以外も完璧ではないから。そして、世の中、いろんな人がいるから。だが、今までいろいろその点で悩んできたが、結局、私がすべきこと、できることは、相手方に会って話して、情報や思いを伝える以外にない。だから、あとは相手を信じるしかないと割り切っている。結果は出てきて初めて分かるが、私がすべきこと、できることは物事の全体を見渡して、必死に頭を働かせて、その目の前の相手に対して、考えうる内容で最善を尽くすことだけだと考えている。

田中洋平 について

大学で建築と法律を学びました。 大学卒業後は木造の戸建住宅やS造・RC造の事務所や福祉施設等の 様々な構造・用途の建築設計に携わりました。 また現在も、日々、建築と法律の勉強を続けています。 建築(モノ)と法律(ヒト)のプロフェッショナルとして 多様な知識・経験・考え方を通して、 依頼主が望み、満足し、価値を感じる、 一歩先の新たな価値観を提案します。
カテゴリー: 建築 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です