仕事とは関係ないプラン

最近、直接仕事とは関係ない住宅のプランを作成している。誰かに頼まれた訳でもなく、このプランをしっかりと仕上げたからといって仕事に繋がるという訳でもないプランである。だが、未来に繋がるプランでもある。土地がいびつなので、通常のプランでは納まらない。そのため、20ミリ、30ミリぐらいの寸法感で調整しながら、構造も同時並行で検討しているうちに数時間経ってしまうということが続いている。

また、そのプランは自邸でもない。話は変わるが、私は現在、賃貸住宅に住んでいる。私の仕事は主に自邸を建てたい建築主の依頼で設計業務を行うが、自邸を建てようとする人の経済力、心意気はすごいなと思う。いろんな期待や不安が入り混じる中、完成するまでその実物を見ることなく、時間と費用をかけて、そのぼんやりしたものに飛び込む勇気がすごいと思う。私もせっかくこんな仕事をしているからいつかは自邸を建てたいとは考えているが、まだ当分、先になりそうだ。

しばらく止まっていた設計案件が最近になって動き始めて、着工に向けての設計図作成や申請書類関係もかなりの量がある。また、法律の勉強も変わらずほぼ毎日進めており、ここ数年、予備試験の受験を見送っていたが、来年からはまた復帰しようと考えている。他にもプログラミングも細々と勉強を続け、ぼんやりとは分かってきた気もする。その延長で自分で自分のホームページを作り込んで、オリジナルのロゴを掲げたいと考え、ロゴデザインの本も以前に購入したが、まだ本格的に検討はできていない。

本来なら仕事とは関係ないプランを作成している場合ではないが、検討を始めると時間が経つのを忘れるぐらいにのめり込んでしまう。すべきこと、したいこと、今の内にしておいた方が良いことをやっている内に時間があっという間に過ぎてしまう。ただ、見方を変えれば、こんなに時間を惜しむような日々を過ごせていることは幸せなことかもしれないとも思える。自分の分身を作ることはできないから体一つでできることも限られてはいるが、日々、その時もしくは近い将来にすべきことを毎日一つ一つやっていく内に想像もしない場所へ辿り着けそうな気がする。目の前の場所と遥か遠い場所とを交互に見ながら進んでいきたいと思う。

田中洋平 について

大学で建築と法律を学びました。 大学卒業後は木造の戸建住宅やS造・RC造の事務所や福祉施設等の 様々な構造・用途の建築設計に携わりました。 また現在も、日々、建築と法律の勉強を続けています。 建築(モノ)と法律(ヒト)のプロフェッショナルとして 多様な知識・経験・考え方を通して、 依頼主が望み、満足し、価値を感じる、 一歩先の新たな価値観を提案します。
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