2022 / 大阪 / 公衆トイレ(プロポーザル案) 敷地は大阪市のほぼ中央に位置する戎橋。 戎橋は江戸時代初めに道頓堀の開削を機に戎橋が架けられ、街と街、人と人を結んできた。 古くから水がある所に人が集まるように道頓堀の戎橋周辺も例外なく、この場所に多くの人が集まり、芝居小屋が多く建てられた。 そして、この場所にゆかりのある、芝居小屋をモチーフに行き交う人々が立ち寄りやすいように計画を行った。 通り抜けが出来る手洗い部分とトイレ部分にゾーニングを明確に分けることで利用し易いトイレとなる。 周辺はグリコの看板を筆頭に、様々な企業の彩度の高い、ロゴや売り文句が具体的に記載された看板やサインで溢れている。 そのため、計画の建物は無彩色、具体的には白で、抽象的な羽織をモチーフにしたデザインにすることで、 際立って存在を主張しないものの、周りとの対比で違った意味で目立つように配慮した。 構造は鉄骨造を採用し、外装も金属とし、堅牢で安心な建物とした。人々が多く行き交う通り側に 手洗い部を配置することで、多少奥まった位置にトイレ部分を計画している。 そのため、喧騒からワンクッション置いた位置となるために安心して用を足すことができる。 また、手洗い部は通り抜けの所は見通しが効き、通り側からもパンチングメタル越しに トイレ側の雰囲気は多少分かるので、プライバシーを守りつつも安全性に考慮している。 ライフサイクルコストの面で優秀な電炉を用いたリサイクル鉄で建物を構成している。 凹凸の少ないシンプルな建物とすることで経年劣化を防ぎ、外装はステンレスとすることでメンテンナンス周期を伸ばすことができる。 建物を構成する建材の種類を絞り、シンプルな外観とすることでコスト面でも配慮している。 |