設計するにあたって、様々なメーカーの商品を採用する。よく使う仕様もあれば、建築主の要望によっては初めて接する建材もある。また、理想を言うなら、全てオリジナルの製作品で作れるならそれに越したことはないが、金額が跳ね上がる。そのため、既製品にお世話になることは多い。
場合によっては建築主とその製品を作っているメーカーのショールームに行くこともある。星の数ほど建材や商品はあるので、その全てをショールームで確認することはできないが、これは実際にショールームで見ておいた方が良いという場合は同行してもらうことがある。
また、その建材等を勧める私自身がいろいろな建材や商品自体を知らなければ勧めようもないので、たまに最新の商品確認のためにカタログを取り寄せたり、一人でショールームに行くこともある。先日、大阪の現場に行くまでに時間の余裕が少しできそうだったので、最近気になっていたショールームを一人見学に行ってきた。
最初に行ったのは旧サンワカンパニーのミラタップ。この会社はネット販売が主なので、今まで多くは採用したことがないが、たまに建具や巾木等、ちょっとした所で使わせてもらっている。既製品はどうしても既製品の感じが出て、設計者からするとそれをできるだけ感じさせないかに気を配ったりすることが多い。商品にも寄るが、ミラタップの商品は他の大手建材や住設メーカーに比べると、その既製品感が気にならない商品もあったりするので、最新情報を仕入れに訪れた。


その後、アイカを訪れた。アイカのショールームは初めて訪れたが、住宅や非住宅に関わらず、建物のいろいろな場所でアイカ製品は使わせてもらっている。特に外壁の塗装材はサンプルをいくつも取り寄せて、建築主に何度も確認を繰り返すことが多いが、大判のサンプルもたくさんあり、ここで見れば全体像が分かり易いかもしれないと思えた。また、カタログだけでは分からないことをいろいろと教えてもらったので、来た甲斐があったという感じだった。



大手の建材・住設メーカーはまとまって立地していることが多いが、そうでないメーカーは会社の所在ごとにバラバラに立地していることが多い。各メーカーを廻ることは骨も折れるが、実際にショールームに行って、そのメーカーの最新情報を聞くことで設計に生かせる部分もある。設計者たるもの、手を動かし、足を動かし、日々勉強し続けていくことが重要だと改めて思った。ただ、既製品の情報等も重要だが、そればかりではとてもより良い建築を作り上げるのも不可能とも思えるので、既製品と製作品の使い分けをしっかり認識しながら今後もより良い建物の設計を行っていきたいと思う。